New Publication: Annals of the New York Academy of Science

Annals of the New York Academy of Sciences に新しい論文が掲載されました。

Amano T, Yasuda S, Yokoyama S, Oshima S, Okamoto Y, Otsuka J, Kato H, Kunimasa Y, Hiwa T, Fujii N, Kenny GP, Hosokawa Y, Mündel T, Kondo N, Inoue Y. Biological maturation and sex differences of cholinergic sweating in prepubertal children to young adults. Ann N Y Acad Sci. 2025. doi:10.1111/nyas.15331

本論文では、小・中学校の児童・生徒(6~17歳)405名(男子229名、女子176名)および18~25歳の若年成人52名(男性25名、女性27名)を対象に、発汗を誘発する薬剤(ピロカルピン)を経皮的に汗腺に投与して、誘発された発汗量から汗腺機能を年代ごとに評価しました。その結果、薬剤によって誘発された発汗量(汗腺機能の指標)の性差は8歳ごろから認められ、年齢に伴う発汗量の増加は男子が女子よりも早く、顕著に生じていました。また、研究に参加した子どものうち111名は春と夏の両方で測定を実施し、季節適応を調べたところ、夏には発汗量の顕著な増加(春の1.5倍)が認められました。これらの結果は、子どもの汗腺機能がどのように発達し、暑熱に適応するのかを示す貴重な科学的資料となります。

https://nyaspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/nyas.15331

関連プレスリリース:https://www.waseda.jp/inst/research/news/80271

New Publication: Frontiers in Physiology

Frontiers in Physiology に新しい論文が掲載されました。

Sekiguchi Y, Adams WA, Hosokawa Y, Benjamin CL, Stearns RL, Huggins RA, Casa DJ. Customizing individual heat mitigation strategies to optimize performance in elite athletes. Frontiers in Physiology. 2025. 16. https://doi.org/10.3389/fphys.2025.1380645.

本論文では暑熱対策の代表格である「暑熱順化」「身体冷却」および「水分補給」において観察される個人差について検討し、個々のアスリートにテーラーメードされた暑熱対策戦略のあり方について概論しました。

https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2025.1380645/full

New Publication: Environmental Research: Health

Environmental Research: Health に新しい論文が掲載されました。

Oyama T, Takakura J, Hosokawa Y, Honda Y, Fujii M, Nakajima K, Hijioka Y. Heat impacts on school sports club activities in Japan under climate change and the effectiveness of countermeasures. Environmental Research: Health. 2025.3(2). doi:10.1088/2752-5309/adbb11

本論文では学校の運動部活動に着目して、将来の気候変動による暑熱影響と対策の効果を評価しました。その結果、気候変動が進行すればこれまで通りの活動実施は困難となり、早朝練習や屋外練習の削減といった既存の対策だけでは暑熱影響を抑制しきれないと予測されました。

https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2752-5309/adbb11

関連プレスリリース:https://www.waseda.jp/inst/research/news/80350

2024年度 卒業式

2024年度はSafety and Performance Optimization Laboratoryから9名の学部生(研究室4期生)と1名の修士大学院生が卒業・修了しました。

あれ見よかしこの 常磐の森は
心のふるさと われらが母校
集り散じて 人は変れど
仰ぐは同じき 理想の光

Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(2日目)

こんにちは、SPO 修士1年の淺沼です。

2/28・3/1に世界陸連主催のレース医療研修会に参加してまいりました!

2日目の内容については浅沼が担当させていただきます。

2日目はインドネシアやオーストラリアなど海外からの様々なバックグラウンドを持った方々がいらっしゃり、様々なお話を聞くことができ大変勉強になりました。

2日目の午前中は実際にマラソン地図を用いて、給水所や救護所のレイアウトをチームで考え、そのディスカッションを行いました。

各国ごとに救急車の配備方法、必要な有資格の医療スタッフの数の違いなどが大きく出ていました。インドネシアでは各テントや救急車1名以上の医師が配置されている一方で、オーストラリアやカナダでは医師や看護師は病院での診察などに大会中も従事しており、パラメディックなど他の医療従事者の方が大会救護を支えているとお話しされており、各国のレース中の医療体制の違いに驚きました。

世界陸連の方から、シンガポールマラソンのレイアウトの解説もあり、選手やその周りの家族まで考慮されたレイアウトになっており、主催者側の皆さんの大変さを改めて痛感しました。

午後は、1日目と同様に突然心停止・運動関連低ナトリウム血症・労作性熱射病の陸上競技に見られる代表的な3つの疾患をトピックにその評価や対応方法について学びを深めました。

労作性熱射病の評価方法であるプローブ式直腸温計での深部体温測定は、馴染みのない方も多い印象でした。自分たちのレースで状態の悪化をどのように防げるかを考えていらっしゃり、ディスカッションの中でも大いに学びを得ることができました。

今回初めてレース医療の運営側を見ることができ、大変勉強にありました。

今年の9月には暑い日本で、世界陸上のアツい戦いが見られることを楽しみにしています!

M1 淺沼富美

Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(1日目)

こんにちは。SPO修士1年の小林です。

今回は2/28(金)、3/1(土)の2日間で行われた世界陸連主催のレース医療研修会に参加してきました!

1日目のブログを小林が担当させていただきます。

ホテルヴィラフォンテーヌ有明のカンファレンスルームにて、陸上の大会救護やレース医療に関する講義、グループディスカッションやハンズオンセミナーなどが行われました。

1日目は国内の陸上の大会救護やレース医療にご尽力されている先生方が集まり、一緒に勉強させていただきました。

午前中は陸上の大会救護における基本的な講義を聴講し、実際の映像を振り返りながら各種目の救護における要点を抑えることが出来ました。

今まで陸上の救護経験が無かったので、種目ごとの特性や救護に入る際の注意点など興味深い内容であっという間に午前中が終了してしまいました。

午後はレース医療の現場で対応が求められる労作性疾患のハンズオンセミナーを行いました。

急性心停止、低ナトリウム血症、労作性熱射病の3つのセミナーを行い、労作性熱射病のセッションでは細川先生が講師を務められました。

手を動かしながら実際のオペレーションを想定したディスカッションが行われていたことがとても印象に残っています。

改めて、国内のレース医療にご尽力されている先生方と世界基準の研修会で一緒に学ぶという非常に貴重な機会を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

2日目の淺沼のブログに続きます!      

M1 小林和音

2024年度卒業研究発表会

今年度の卒業研究発表会が開催されました。研究タイトルは「THESIS」のメニューから確認することができます。

本年度分を追加すると計23編の学部卒業論文がSafety and Performance Optimization Laboratoryから発表されたことになります。

4期生の皆さん、お疲れ様でした!

New Publication: Sports Health

Sports Healthに新しい論文が掲載されました。

Stearns RL, Kucera KL, Hosokawa Y, Filep EM, Grace A, DeLong R, Casa DJ. Fatal Exertional Heat Stroke Trends in Secondary School Sports From 1982 Through 2022. Sports Health. 2024. Doi: 10.1177/19417381241298293  

本論文では、アメリカの高校における40年分の労作性熱射病死亡ケースの疫学調査を報告しました。その結果、発生時期は夏季(7-9月)に多く、94%はアメリカンフットボールに集中していることが分かりました。直近の10年間では、熱射病死亡者数が最も多かったその前の10年間よりも38%減少したことが明らかとなりましたが(2002-2011, n=26, 0.37/1,000,000 athlete-season; 2012-2021, n=16. 0.21/1,000,000 athlete-season)、未だに高い数値であることから、救命率を高めるための更なる環境整備や教育などの介入が必要であることが示唆されました。

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/19417381241298293

New Publication: Research in Sports Medicine

Research in Sports Medicineに新しい論文が掲載されました。

Yasuki Sekiguchi, Yuri Hosokawa, Ekow Dadzie, Virgilio Lopez III, Joseph J. J Bivona,Staci N. Thornton, John F. Jardine, Douglas J. Casa, Elaine Lee. Change in interleukin (IL)-6, 8, and 10 and its association with an increase in core temperature following a 7-mile running race in the warm weather. Research in Sports Medicine. 2024. doi:10.1080/15438627.2024.2428602

本論文では、ロードレース(11.3km)後の高体温とサイトカインの関係について検討しました。レース後の高体温はIL-6の上昇、早いタイム、および高い発汗量との関連を示しました。

https://www.tandfonline.com/doi/citedby/10.1080/15438627.2024.2428602?scroll=top&needAccess=true