Blog Updates: ACSM 2025 (小林)

こんにちは、M2小林です。

American College of Sports Medicine 2025 @ Atlantaに参加しました!

初の国際学会でしたが、往復の飛行機の便がどちらも欠航になって空港近くに延泊、翌日の代替便で移動という今まで経験したことの無い大変な旅となりました。(楽しみにしていたUGA訪問も叶わず、、、)

さらに、往路では発表で使用するポスターが入った手荷物が経由地のHoustonに置き去りになるというトラブルもあり、ポスター発表前日の25時に届くという波瀾万丈なスタートとなりました。

トラブルだらけの旅とは裏腹に、学会期間中はすごく楽しく過ごすことが出来ました!国際学会の会場の大きさ、参加者の数、トピックの種類など規模の大きさに終始圧倒されていました。

暑熱&水分補給がすごく充実しており、毎日様々なセッションが行われていた事が印象に残っています。

特に、暑熱対策戦略のシンポジウムでお話されていたチームスポーツにおける暑熱適応の獲得を、練習負荷と暑熱負荷を同時に管理する事で、過密なチームスケジュールと同時進行で実施するというものが興味深く感じました。

チームスポーツのサポートをしていて悩みの種である暑熱馴化をどのように進めるかという疑問に対する1つの答えを教えていただいたような感覚でした。

また、初の国際学会でのポスター発表でしたが、SAFEプロジェクトに関する抄録をfeatured abstractとして選出して頂き、receptionで発表する機会も頂きました。

Receptionの会場は熱気に溢れるポスター会場と雰囲気が一味違ってとても緊張していましたが、たくさんの人にポスターを見て頂き優しく質問やコメントを頂いて、あっという間の1時間でした。

改めてSAFEプロジェクトの一員として国際学会で発表の機会を頂けたこと、SAFEプロジェクトに関わる全ての方々に感謝申し上げます。

毎日たくさんの学びと出会いがあり、来年もこの場所に来たいとそう思える初の国際学会参加となりました。

研究と英語の勉強もっともっと頑張ります!!

M2 小林和音

Blog Updates: ACSM 2025 (徐)

こんにちは!今年度からD1に進学しました、徐 松林です!

アメリカ・アトランタで開催された ACSM(American College of Sports Medicine)2025に参加してきました!🇺🇸 世界中のスポーツ科学・運動医学のプロフェッショナルが集まる超ビッグイベントでした。実は今回で 2年連続の参加。去年よりも少し余裕を持って楽しめた気がします!

🌞 暑熱&ハイドレーション系の発表が大充実!

今年は特に「暑熱HEAT」や「水分補給Hydration」に関する発表が目立っていて、自分の研究テーマと重なる部分も多く、とても勉強になりました。
普段日本で触れる情報とはまた違った切り口や考え方が多くて、視野がグッと広がった気がします!

🗣️ Poster会場の熱量がすごい

Posterセッションでは、参加者同士の距離が近くて、いろんな人に声をかけたり、かけられたり。議論が始まるとどんどん話が盛り上がって、気づけば何十分も立ち話していたり(笑)
こういう空気感が、やっぱり国際学会の醍醐味ですね!

⚽ 夜はアトランタ・ユナイテッドの試合へ!

せっかくアトランタに来たので、MLSのアトランタ・ユナイテッドFCのホームゲームも観戦してきました!これが想像以上に大迫力で、スタジアムの一体感とサポーターの熱さに完全に圧倒されました🔥「スポーツって、やっぱり文化なのだな」と実感。

📝 2年目だからこそ、見えてきたものも

2回目の参加ということで、学会の流れや会場の雰囲気にも少し慣れて、去年よりもリラックスして多くのセッションや交流を楽しめました。去年とはまた違った視点で話を聞けたり、質問したりできたのも自分にとっては大きな成長でした!

✈️ 来年もまたこの場所へ

たくさんの刺激と学び、そして新しい出会いにあふれたACSM2025。来年もまたこの場に戻ってこられるように、日々の研究を大切にしていきたいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

D1 徐松林

Blog Update: ACSM 2025(淺沼)

こんにちは、M2淺沼です。

American College Sports of Medicine 2025 @ Atlantaに参加してまいりました!2回目の国際学会参加となりましたが、やはり規模の大きさに驚きます😳

まず、ACSMに参加する前にジョージア大学の見学の機会をいただきました。

アメフトのスタジアムや大学の周りの街並みを見ることができました!綺麗な庭園やジョージア大で最初にアメフトが行われたと言う中庭などもあり感動でした…。(とにかく広く、見学の終盤はヘトヘトでした😅)

さて、本題のACSMですが、プレカンファレンスから興味深いトピックが数多くありました。

その中でも本Blogでは、occupational heat stressについてのトピックについてお話しさせていただきます。労働者への暑熱ストレスの緩和方法や労作性熱疲労・労作性熱射病の予防対策についてのお話が中心に進められていました。発表者の方が何度も口に出していたのは「アスリートへの対応はそのまま労働者の方に対応させることは難しい」と言うことでした。これは労働者を研究対象としていく上で重要なバックグランドであることは理解しているつもりでしたが、言語化してどのように異なるのかを十分に考える良い機会になりました。また、現在の労働者に対する暑熱環境下での作業ガイドラインが一般的な成人男性を対象にしているものであることもピックアップされていました。女性や高齢者の方に関する研究がこれからより進んでいくことになるかと思います!(アンテナを立てておかないとですね!)

続いて、私の発表についての感想もこの場を借りでお話しさせていただければと思いますJ

最終日の午前中のFree Communication/ Posterのセッションでの発表でした。昨年の夏に参加したFalmouth Road Raceのメディカルボランティアの方々の労作性熱射病のプレホスピタルケアに対する態度がレース前後でどのように変化するかについて、まとめました!英語で自分の研究をまとめ、発表するという非常に良い経験ができたと感じております。

来年はSalt Lake Cityですね!来年も参加できるように、研究も英語の勉強も頑張ります💪

M2 淺沼富美

New Publication: 日本臨床スポーツ医学会誌

日本臨床スポーツ医学会誌に新しい論文が掲載されました。

田島 千紘, 大伴 茉奈, 鳥居 俊, 広瀬 統一,  細川 由梨. 遷延性脳振盪様症状におけるスポーツ関連脳振盪受傷前後の環境と行動の特徴. 日本臨床スポーツ医学会誌. 2025; 33(2): 299-323.

本研究はSPO1期生の田島千紘さんの修士課程における研究成果の一部です。当研究ではスポーツ関連脳振盪(以下SRC)の既往歴がある大学アスリートを対象に、遷延性脳振盪様症状(以下PPCS)の特徴やリスク要因を明らかにすることを目的に横断的なアンケート調査及び半構造化インタビュー調査を行いました。PPCS群は女性(χ2[1]=5.47,p=0.02) ,精神疾患既往のある者(p=0.02),競技経験年数が短い者に多く(PPCS群,中央値7.0;非PPCS群,中央値12.0;U=1473.0,p=0.001)、半構造化インタビュー調査ではPPCS群は非PPCS群と比較して,SRCの受傷経験をきっかけにSRCに対する危機意識が高く,早期の報告に価値を感じ,よりリアルなSRC教育を求める傾向がありました。

https://www.rinspo.jp/journal/2020/files/33-2/299-323.pdf

New Publication: Annals of the New York Academy of Science

Annals of the New York Academy of Sciences に新しい論文が掲載されました。

Amano T, Yasuda S, Yokoyama S, Oshima S, Okamoto Y, Otsuka J, Kato H, Kunimasa Y, Hiwa T, Fujii N, Kenny GP, Hosokawa Y, Mündel T, Kondo N, Inoue Y. Biological maturation and sex differences of cholinergic sweating in prepubertal children to young adults. Ann N Y Acad Sci. 2025. doi:10.1111/nyas.15331

本論文では、小・中学校の児童・生徒(6~17歳)405名(男子229名、女子176名)および18~25歳の若年成人52名(男性25名、女性27名)を対象に、発汗を誘発する薬剤(ピロカルピン)を経皮的に汗腺に投与して、誘発された発汗量から汗腺機能を年代ごとに評価しました。その結果、薬剤によって誘発された発汗量(汗腺機能の指標)の性差は8歳ごろから認められ、年齢に伴う発汗量の増加は男子が女子よりも早く、顕著に生じていました。また、研究に参加した子どものうち111名は春と夏の両方で測定を実施し、季節適応を調べたところ、夏には発汗量の顕著な増加(春の1.5倍)が認められました。これらの結果は、子どもの汗腺機能がどのように発達し、暑熱に適応するのかを示す貴重な科学的資料となります。

https://nyaspubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/nyas.15331

関連プレスリリース:https://www.waseda.jp/inst/research/news/80271

New Publication: Frontiers in Physiology

Frontiers in Physiology に新しい論文が掲載されました。

Sekiguchi Y, Adams WA, Hosokawa Y, Benjamin CL, Stearns RL, Huggins RA, Casa DJ. Customizing individual heat mitigation strategies to optimize performance in elite athletes. Frontiers in Physiology. 2025. 16. https://doi.org/10.3389/fphys.2025.1380645.

本論文では暑熱対策の代表格である「暑熱順化」「身体冷却」および「水分補給」において観察される個人差について検討し、個々のアスリートにテーラーメードされた暑熱対策戦略のあり方について概論しました。

https://www.frontiersin.org/journals/physiology/articles/10.3389/fphys.2025.1380645/full

New Publication: Environmental Research: Health

Environmental Research: Health に新しい論文が掲載されました。

Oyama T, Takakura J, Hosokawa Y, Honda Y, Fujii M, Nakajima K, Hijioka Y. Heat impacts on school sports club activities in Japan under climate change and the effectiveness of countermeasures. Environmental Research: Health. 2025.3(2). doi:10.1088/2752-5309/adbb11

本論文では学校の運動部活動に着目して、将来の気候変動による暑熱影響と対策の効果を評価しました。その結果、気候変動が進行すればこれまで通りの活動実施は困難となり、早朝練習や屋外練習の削減といった既存の対策だけでは暑熱影響を抑制しきれないと予測されました。

https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2752-5309/adbb11

関連プレスリリース:https://www.waseda.jp/inst/research/news/80350

2024年度 卒業式

2024年度はSafety and Performance Optimization Laboratoryから9名の学部生(研究室4期生)と1名の修士大学院生が卒業・修了しました。

あれ見よかしこの 常磐の森は
心のふるさと われらが母校
集り散じて 人は変れど
仰ぐは同じき 理想の光

Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(2日目)

こんにちは、SPO 修士1年の淺沼です。

2/28・3/1に世界陸連主催のレース医療研修会に参加してまいりました!

2日目の内容については浅沼が担当させていただきます。

2日目はインドネシアやオーストラリアなど海外からの様々なバックグラウンドを持った方々がいらっしゃり、様々なお話を聞くことができ大変勉強になりました。

2日目の午前中は実際にマラソン地図を用いて、給水所や救護所のレイアウトをチームで考え、そのディスカッションを行いました。

各国ごとに救急車の配備方法、必要な有資格の医療スタッフの数の違いなどが大きく出ていました。インドネシアでは各テントや救急車1名以上の医師が配置されている一方で、オーストラリアやカナダでは医師や看護師は病院での診察などに大会中も従事しており、パラメディックなど他の医療従事者の方が大会救護を支えているとお話しされており、各国のレース中の医療体制の違いに驚きました。

世界陸連の方から、シンガポールマラソンのレイアウトの解説もあり、選手やその周りの家族まで考慮されたレイアウトになっており、主催者側の皆さんの大変さを改めて痛感しました。

午後は、1日目と同様に突然心停止・運動関連低ナトリウム血症・労作性熱射病の陸上競技に見られる代表的な3つの疾患をトピックにその評価や対応方法について学びを深めました。

労作性熱射病の評価方法であるプローブ式直腸温計での深部体温測定は、馴染みのない方も多い印象でした。自分たちのレースで状態の悪化をどのように防げるかを考えていらっしゃり、ディスカッションの中でも大いに学びを得ることができました。

今回初めてレース医療の運営側を見ることができ、大変勉強にありました。

今年の9月には暑い日本で、世界陸上のアツい戦いが見られることを楽しみにしています!

M1 淺沼富美

Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(1日目)

こんにちは。SPO修士1年の小林です。

今回は2/28(金)、3/1(土)の2日間で行われた世界陸連主催のレース医療研修会に参加してきました!

1日目のブログを小林が担当させていただきます。

ホテルヴィラフォンテーヌ有明のカンファレンスルームにて、陸上の大会救護やレース医療に関する講義、グループディスカッションやハンズオンセミナーなどが行われました。

1日目は国内の陸上の大会救護やレース医療にご尽力されている先生方が集まり、一緒に勉強させていただきました。

午前中は陸上の大会救護における基本的な講義を聴講し、実際の映像を振り返りながら各種目の救護における要点を抑えることが出来ました。

今まで陸上の救護経験が無かったので、種目ごとの特性や救護に入る際の注意点など興味深い内容であっという間に午前中が終了してしまいました。

午後はレース医療の現場で対応が求められる労作性疾患のハンズオンセミナーを行いました。

急性心停止、低ナトリウム血症、労作性熱射病の3つのセミナーを行い、労作性熱射病のセッションでは細川先生が講師を務められました。

手を動かしながら実際のオペレーションを想定したディスカッションが行われていたことがとても印象に残っています。

改めて、国内のレース医療にご尽力されている先生方と世界基準の研修会で一緒に学ぶという非常に貴重な機会を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

2日目の淺沼のブログに続きます!      

M1 小林和音