New Publication: British Journal of Sports Medicine

British Journal of Sports Medicine に新しい論文が掲載されました。

Hosokawa Y, Otomo M, Tsuru K, et alEnhancing emergency preparedness of community and youth sport activities: the Sugadaira AED for Everyone (SAFE) projectBritish Journal of Sports Medicine Published Online First: 12 October 2025. doi: 10.1136/bjsports-2025-109824

本論文ではSAFEプロジェクトの立ち上げから、Ambu-car導入までの経緯について報告しています。菅平高原という特殊なスポーツ合宿地の安全を最適化するために地域の方々(グラウンド部会・消防署)とアスレティックトレーナー・救急救命士・医師・看護師、そして競技団体がそれぞれの立場で参画している素晴らしい本プロジェクトについて、海外のスポーツ医科学専門家からも関心・評価を得ることができたことを光栄に思います。

https://bjsm.bmj.com/content/early/2025/10/12/bjsports-2025-109824

Blog Updates: 東京世界陸上 #2

こんにちは。

5期生の藤田です。

9月13日(土)〜21日(日)に開催された「東京2025世界陸上競技選手権大会」において、持久系アスリート(マラソン・競歩選手)を対象とした研究補助に関わらせていただきました。

今回の研究は、暑熱環境下で行われる陸上競技大会に向けた準備や当日の行動、そしてそれらが試合でのパフォーマンスに与える影響を明らかにすることを目的として実施されました。私は、試合前日トレーニング中のマラソン選手の汗採取補助や、競歩選手のレース前後における体重測定補助を担当させていただきました。

試合前の大きな舞台に挑む選手の闘志を間近で見ながら、臨機応変に対応する必要があり、また選手にストレスを与えずに研究を完了させる難しさを実感しました。このような正式な研究活動に携わるのは初めてで、研究現場で求められる責任感と柔軟性の重要性を学ぶことができました。

さらに、9月19日(金)には早稲田大学小野記念講堂にて「GLOBAL SUMMIT ON ATHLETICS SCIENCE & MEDICINE」が開催されました。今回開催された東京2025世界陸上に合わせて行われたこのシンポジウムには世界各国から研究者や関係者が参加されており、細川先生も「これほど多くの国の方が集まるシンポジウムは初めて」とおっしゃっていました。

私が特に印象に残ったのは「遺伝子検査」に関するトピックです。陸上競技の女子種目における公平性を確保するために導入されたこの制度は、東京世界陸上が初めて適用される大会となりました。長年にわたって議論が続けられ、導入に至った経緯などを拝聴させていただき、非常に興味深かったです。

また、登壇された先生方がどのようなキャリアを歩み、今に至っているのかを知ることができたことも、大きな学びとなりました。特に「これまでの人生の選択に迷いはなかった」という言葉には強い刺激を受け、自分自身の将来について考えるきっかけにもなりました。

私たちの師匠である細川由梨先生も、労作性熱射病に関する話題を発表されていました。

先生はお忙しい中、直前まで発表の準備を重ねていたと伺い、その真摯な姿勢に強く心を打たれました。今回の研究活動では、準備段階から当日まで、国際的な舞台でご活躍される先生のご活動を初めて間近で拝見することができ、大変感銘を受けました。授業以外で先生の研究活動に触れる機会はこれまで多くはなかったので、改めて、素晴らしい先生のもとで学ぶことができて幸せだなと感じました。

陸上競技の長距離・競歩に取り組む私は、大学入学当初から2025東京世界陸上に出場することを目標にしていました。しかし、実力不足で競技者として出場することはできませんでした。競技者として出場は叶いませんでしたが、細川先生の専門分野である暑熱順化に関する研究で、「研究補助」という立場から世界陸上に関わることができ、このような機会に恵まれたことは本当に嬉しい限りでした。この経験がもう少し早ければ、もしかすると進む道が変わっていたかもしれない…と感じるほど、充実した1週間となりました。多くの新たな視点を得ることができ、残り少ない競技生活や今後の人生に必ず活かしていきたいと強く思いました。

(競歩選手として、日本選手が男女共に3位入賞でメダルを獲得していたのはとても興奮する結果でした!)

最後に、このような貴重な経験をさせてくださった細川先生、世界陸連の皆様、大塚製薬の皆様、そして心を動かす瞬間をたくさん魅せてくださった選手やサポートスタッフの皆様、東京2025世界陸上に関わった全ての方々に心より感謝申し上げます。

本当にありがとうございました!

5期生 藤田真美加

Blog Updates: 東京世界陸上 #1

こんにちは!
5期生の木村七海です。

この夏、東京で開催された世界陸上で、研究プロジェクトの一員として実験に参加させていただきました。
自国開催という特別な舞台で、世界トップレベルの選手を対象にデータ収集を行うことができ、とてもワクワクしました。

会場では、競技前の緊張感や多くの関係者の動きを間近で見ることができ、授業や研究室実験では決して味わえない現場の空気を体験しました。慌ただしい中で、正確な測定を行うためには入念な準備が欠かせないことを改めて実感しました。

また細川先生が国内外の多くの関係者とたくさんコミュニケーションをとり信頼関係を築いている様子を拝見し、研究はデータだけでなく、人とのつながりで成り立っていると感じました。私ももっと積極的にコミュニケーションをとれるよう努力していきたいです。

大会期間中には観戦の機会もありました。目の前で見るトップアスリートのパフォーマンスは、テレビで見るのとは全く違う迫力で、感動しました!とっても楽しかったです☺️

さらに、大会に合わせて開催されたGlobal Summit on Athletics Science & Medicineにも参加しました。ここでは世界中から研究者や医療スタッフが集まり、最新の知見や取り組みを共有していました。

普段SPOでは熱中症について学ぶことが多いので、今回のカンファレンスで低ナトリウム血症に関する発表を聞けたことは新鮮でとても勉強になりました。世界陸上の現場でも、予想外に涼しかったり、湿度が低かったりすると、水分摂取量と発汗量のバランスが崩れ、低ナトリウム血症につながる可能性があることを実感しました。熱中症とはまた異なる視点から水分補給の戦略を考える機会となりました。
このほかにも、興味深い発表がたくさんあり、世界各国で選手の安全とパフォーマンス向上のために働いている人がたくさんいることを実感して感動しました。

(↑細川先生の発表の中でSPO5期生が出てきて嬉しかったです😻)

今回の東京大会とカンファレンスでの経験を通じて、研究と現場どちらの面白さも体験することができました。このような貴重な機会をくださった細川先生に、心より感謝申し上げます。今回の経験を糧に、これからも学びと挑戦を続けていきたいと思います!

5期生 木村七海

Blog Updates: 第14回日本アスレティックトレーニング学会学術大会

こんにちは。6期生の森島です。

9月6日・7日、帝京平成大学で開催された「第14回アスレティックトレーナー学会 学術大会」に参加しました!

初めてAT学会に参加しましたが、たくさんの知見を得られ、とても有意義なものでした。SPOの仲間も多く参加していました。

SPOからは、M2の淺沼さん、小林さん、卒業生の辻内さんがポスター発表を行い、細川先生が口頭発表を行いました。先生、先輩方の発表を聞き、将来私もあんな風に発表してみたいなと思いました!

6日で一番印象に残ったのは、SIG2のハイパフォーマンススポーツ「高校・大学生アスリートの外傷・障害予防に向けた取り組みと課題解決」です。対話形式で行われ、年齢、性別など関係なくグループ分けされ、理学療法士の方や、鍼灸師をお持ちのATの方、またATとは関係ない仕事をしていらっしゃる方など、自分の環境とは全く違う方たちが集まり、対話形式でお題について話し合いました。私のチームには、ベテランの方もおられ、その方の話を聞いているととても興味深い考えが聞けました。このようなベテランの方や、違った環境の方と対話をすることはなかなかないので、とても貴重な経験となりました。

7日の朝7時40分から、モーニングセッション「共通セミナー 日本ストライカー株式会社・松吉医科器械株式会社 スキルアップ あなたのCPRスキルの向上は命を救う確率を高めます」に参加しました。先着30人にポケットマスクが配られ、それを使用し人工呼吸の練習も行われました。コロナ禍で人工呼吸は感染リスクが高いため、行わないとされており、人工呼吸を実際に行うのはこれが初めてでした。また、胸骨圧迫と人工呼吸の点数をつけるコーナーもあり、100点満点中98点でした!CPRに対して少し自信がつきましたが、実際に行うとなるともっと焦るだろうし、練習通りにはいかない可能性が高いので、もっと練習するべきだと感じました。

7日の最後には、表彰式が行われ、M2の淺沼富美さんが「若手研究者奨励賞」を受賞しました。先輩がこのような活躍をされるのは、とてもうれしく、同じSPOとして誇らしいです。私も先輩方のように頑張ろうと思いました!

今回初めてAT学会に参加し、難しい内容の発表もありましたが、自分自身の興味のある発表も多く聞くことができ、とても楽しかったです。また、多くの先生方、他大学の方にもお会いすることができ、出会いの場にもなりました。他大学の学生トレーナーの方がどのような活動をしているのかも知ることができ、今後の自分自身の活動に活かそうと思います!

来年は6月に幕張メッセで開催予定です。来年も参加したいと思います!

6期生 森島百咲

Blog Updates: ヒートデックリハーサル

こんにちは。修士2年の淺沼です。

8/3(日)に秩父宮ラグビー場で実施された、World Lacrosseに向けたHeat deck デモに参加してまいりました。来年の女子大会、再来年の男子大会のために沢山の運営の方尽力されていることを感じることができた1日でした。

Heat deckのデモンストレーションでは、テントの設営やアイスバスのセットアップ、アイスバスへの搬送方法などを実施しました。私個人としては、何度かHeat deckデモを経験させていただいてので、再度流れを確認するために非常に良い機会をいただきました。また、実際にレクチャーする際のポイントなどを学ぶこともできました。

A group of people sitting on the ground

AI-generated content may be incorrect.

アイスバスのセットアップの際は、30kg相当の氷をバスの中に入れ、どの程度水が冷えるのか、氷がどのくらいの速さで溶けてしまうのかなどを実際にみることができました。日曜日の秩父宮ラグビー場では、30kgが5分程度で完全に溶けてしまいました。30kgと聞くと多すぎるように感じてしまいますが、溶けるのは一瞬で改めて日本の暑さに感じました!(この暑さでは氷はいくらあっても足りないですね…😖)

来年のWorld Lacrosseは非常に楽しみになる1日でした!!このような貴重な機会をいただき本当にありがとうございました!

M2 淺沼富美

SAFE PROJECT

今年もSugadaira AED For Everyone プロジェクトが始動しました。今年のラグビーアンビカーの稼働日程は8/2, 3, 9-16, 23, 24, 30, 31です。活動風景やプロジェクトの詳細については、今年度開設されたInstagram(@safeprj2022)をご確認ください。

New Publication: Journal of Athletic Training

Journal of Athletic Training に新しい論文が掲載されました。

Yeargin SW, Scarneo-Miller SE, Radzak KN, Hosokawa Y, Bazett-Jones DM, Welch Bacon CE, Resnick PB, Marshall AN, Thomas S. Writing National Athletic Training Association Position Statements: New Methodology for Systematic Evidence Gathering and Recommendation Building. Journal of Athletic Training. 2025. 60(6):475-479.

本論文では、2024年6月以降に作成されるNATA ポジションステイトメントの作成に適用される(1)トピックの選定、(2)執筆者グループの構成、(3)エビデンスの収集、(4)推奨事項の構築に関する、新しい一連のプロセスについて紹介しています。

https://nata.kglmeridian.com/view/journals/attr/60/6/article-p475.xml?body=PDF

New Publication: 救急医学

救急医学 に新しい記事が2編掲載されました。

細川由梨. スポーツ現場における労作性熱中症. 救急医学. 49(6). 2025.
細川由梨.アメリカにおける熱射病の取り扱い─救急医療の視点から. 救急医学. 49(6). 2025.

スポーツ現場における労作性熱中症の特異性や近年アメリカの救急医療の現場で改めて重要視されるようになったプレホスピタル対応の最適化と早期の積極的な全身浸漬冷却の重要性についてまとめました。

https://www.herusu-shuppan.co.jp/qq202506/

Blog Updates: ACSM 2025 (小林)

こんにちは、M2小林です。

American College of Sports Medicine 2025 @ Atlantaに参加しました!

初の国際学会でしたが、往復の飛行機の便がどちらも欠航になって空港近くに延泊、翌日の代替便で移動という今まで経験したことの無い大変な旅となりました。(楽しみにしていたUGA訪問も叶わず、、、)

さらに、往路では発表で使用するポスターが入った手荷物が経由地のHoustonに置き去りになるというトラブルもあり、ポスター発表前日の25時に届くという波瀾万丈なスタートとなりました。

トラブルだらけの旅とは裏腹に、学会期間中はすごく楽しく過ごすことが出来ました!国際学会の会場の大きさ、参加者の数、トピックの種類など規模の大きさに終始圧倒されていました。

暑熱&水分補給がすごく充実しており、毎日様々なセッションが行われていた事が印象に残っています。

特に、暑熱対策戦略のシンポジウムでお話されていたチームスポーツにおける暑熱適応の獲得を、練習負荷と暑熱負荷を同時に管理する事で、過密なチームスケジュールと同時進行で実施するというものが興味深く感じました。

チームスポーツのサポートをしていて悩みの種である暑熱馴化をどのように進めるかという疑問に対する1つの答えを教えていただいたような感覚でした。

また、初の国際学会でのポスター発表でしたが、SAFEプロジェクトに関する抄録をfeatured abstractとして選出して頂き、receptionで発表する機会も頂きました。

Receptionの会場は熱気に溢れるポスター会場と雰囲気が一味違ってとても緊張していましたが、たくさんの人にポスターを見て頂き優しく質問やコメントを頂いて、あっという間の1時間でした。

改めてSAFEプロジェクトの一員として国際学会で発表の機会を頂けたこと、SAFEプロジェクトに関わる全ての方々に感謝申し上げます。

毎日たくさんの学びと出会いがあり、来年もこの場所に来たいとそう思える初の国際学会参加となりました。

研究と英語の勉強もっともっと頑張ります!!

M2 小林和音