Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(2日目)

こんにちは、SPO 修士1年の淺沼です。

2/28・3/1に世界陸連主催のレース医療研修会に参加してまいりました!

2日目の内容については浅沼が担当させていただきます。

2日目はインドネシアやオーストラリアなど海外からの様々なバックグラウンドを持った方々がいらっしゃり、様々なお話を聞くことができ大変勉強になりました。

2日目の午前中は実際にマラソン地図を用いて、給水所や救護所のレイアウトをチームで考え、そのディスカッションを行いました。

各国ごとに救急車の配備方法、必要な有資格の医療スタッフの数の違いなどが大きく出ていました。インドネシアでは各テントや救急車1名以上の医師が配置されている一方で、オーストラリアやカナダでは医師や看護師は病院での診察などに大会中も従事しており、パラメディックなど他の医療従事者の方が大会救護を支えているとお話しされており、各国のレース中の医療体制の違いに驚きました。

世界陸連の方から、シンガポールマラソンのレイアウトの解説もあり、選手やその周りの家族まで考慮されたレイアウトになっており、主催者側の皆さんの大変さを改めて痛感しました。

午後は、1日目と同様に突然心停止・運動関連低ナトリウム血症・労作性熱射病の陸上競技に見られる代表的な3つの疾患をトピックにその評価や対応方法について学びを深めました。

労作性熱射病の評価方法であるプローブ式直腸温計での深部体温測定は、馴染みのない方も多い印象でした。自分たちのレースで状態の悪化をどのように防げるかを考えていらっしゃり、ディスカッションの中でも大いに学びを得ることができました。

今回初めてレース医療の運営側を見ることができ、大変勉強にありました。

今年の9月には暑い日本で、世界陸上のアツい戦いが見られることを楽しみにしています!

M1 淺沼富美

Blog Update: 世界陸連主催のレース医療研修会(1日目)

こんにちは。SPO修士1年の小林です。

今回は2/28(金)、3/1(土)の2日間で行われた世界陸連主催のレース医療研修会に参加してきました!

1日目のブログを小林が担当させていただきます。

ホテルヴィラフォンテーヌ有明のカンファレンスルームにて、陸上の大会救護やレース医療に関する講義、グループディスカッションやハンズオンセミナーなどが行われました。

1日目は国内の陸上の大会救護やレース医療にご尽力されている先生方が集まり、一緒に勉強させていただきました。

午前中は陸上の大会救護における基本的な講義を聴講し、実際の映像を振り返りながら各種目の救護における要点を抑えることが出来ました。

今まで陸上の救護経験が無かったので、種目ごとの特性や救護に入る際の注意点など興味深い内容であっという間に午前中が終了してしまいました。

午後はレース医療の現場で対応が求められる労作性疾患のハンズオンセミナーを行いました。

急性心停止、低ナトリウム血症、労作性熱射病の3つのセミナーを行い、労作性熱射病のセッションでは細川先生が講師を務められました。

手を動かしながら実際のオペレーションを想定したディスカッションが行われていたことがとても印象に残っています。

改めて、国内のレース医療にご尽力されている先生方と世界基準の研修会で一緒に学ぶという非常に貴重な機会を頂き、感謝の気持ちでいっぱいです。

2日目の淺沼のブログに続きます!      

M1 小林和音

2024年度卒業研究発表会

今年度の卒業研究発表会が開催されました。研究タイトルは「THESIS」のメニューから確認することができます。

本年度分を追加すると計23編の学部卒業論文がSafety and Performance Optimization Laboratoryから発表されたことになります。

4期生の皆さん、お疲れ様でした!

New Publication: Sports Health

Sports Healthに新しい論文が掲載されました。

Stearns RL, Kucera KL, Hosokawa Y, Filep EM, Grace A, DeLong R, Casa DJ. Fatal Exertional Heat Stroke Trends in Secondary School Sports From 1982 Through 2022. Sports Health. 2024. Doi: 10.1177/19417381241298293  

本論文では、アメリカの高校における40年分の労作性熱射病死亡ケースの疫学調査を報告しました。その結果、発生時期は夏季(7-9月)に多く、94%はアメリカンフットボールに集中していることが分かりました。直近の10年間では、熱射病死亡者数が最も多かったその前の10年間よりも38%減少したことが明らかとなりましたが(2002-2011, n=26, 0.37/1,000,000 athlete-season; 2012-2021, n=16. 0.21/1,000,000 athlete-season)、未だに高い数値であることから、救命率を高めるための更なる環境整備や教育などの介入が必要であることが示唆されました。

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/19417381241298293

New Publication: Research in Sports Medicine

Research in Sports Medicineに新しい論文が掲載されました。

Yasuki Sekiguchi, Yuri Hosokawa, Ekow Dadzie, Virgilio Lopez III, Joseph J. J Bivona,Staci N. Thornton, John F. Jardine, Douglas J. Casa, Elaine Lee. Change in interleukin (IL)-6, 8, and 10 and its association with an increase in core temperature following a 7-mile running race in the warm weather. Research in Sports Medicine. 2024. doi:10.1080/15438627.2024.2428602

本論文では、ロードレース(11.3km)後の高体温とサイトカインの関係について検討しました。レース後の高体温はIL-6の上昇、早いタイム、および高い発汗量との関連を示しました。

https://www.tandfonline.com/doi/citedby/10.1080/15438627.2024.2428602?scroll=top&needAccess=true

New Publication: 日本アスレティックトレーニング学会学術誌

日本アスレティックトレーニング学会学術誌に新しい論文が掲載されました。

山中 美和子, 細川 由梨, 金岡 恒治, 砂川 憲彦, 広瀬 統一, 川原 貴, 深町 花子, 青野 博. スポーツ外傷・障害および疾病調査に関する提言書の推奨に基づいて収集されたデータの完全性及び妥当性の検証. 日本アスレティックトレーニング学会学術誌. 2024.10(1):11-23 .

本論文では、日本臨床ポーツ医学会と日本アスレティックトレーニング学会が共同で発表したスポーツ外傷・障害および疾病調査に関する提言書にて定められた調査項目の完全性と妥当性を検証しました.その結果、提言書で推奨された調査項目の完全性は高く,欠損のないデータを収集することに適していることが明らかとなりました.一方で「疾病評価」や「疾病診断」の回答の一致割合や検者間信頼性は低かったことから、スポーツ現場における「疾病」データの記録方法についてはスポーツ医科学スタッフ向けの教育や、調査項目そのものの見直しなどが必要である可能性が示唆されました.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsatj/10/1/10_11/_article/-char/ja

第13回日本アスレティックトレーニング学会学術大会

9月14-15日に中京大学で開催された「第13回日本アスレティックトレーニング学会学術大会」に参加しました。

今回はM1の大学院生、淺沼さんと小林さんがポスター発表を行いました。

淺沼富美, 細川由梨. 児童と保護者における日常的水分補給の実態調査と教育ビデオの有用性に関する研究 .  

小林和音, 細川由梨. 大学アメリカンフットボールチームにおける外傷・障害調査:NCAAとの比較.

また、細川准教授の海上保安官を対象とした暑熱順化トレーニングの実践報告(口頭)と、SPOとしても参画しているSAFEプロジェクトの実践報告(ポスター:筆頭 大伴茉奈先生)が優秀発表賞を受賞しました。

会場にはOGの田島さんも参加されていました!

来年は帝京平成大学@池袋での開催です。次もSPOからの演題登録を複数できるよう、皆で頑張っていきます!

Blog Update: KSI Summer Fellowship 報告第三弾

7月23日から8月25日まで米国University of Connecticut (UCONN)のKorey Stringer Institute (KSI)でSummer Fellowshipに参加してきた淺沼さんからの現地レポート第三弾です。

UCONN/KSI日誌第3弾!!!

こんにちはM1の淺沼です。私のUCONN/KSI日誌に長らくお付き合いいただきありがとうございます。今回が最後の日誌になりますので、ご一読いただけますと幸いです!

さて、あっという間に1ヶ月が経過し、私のsummer Fellowship期間が終了してしまいました…。もっとUCONNやKSIに居たかったなという気持ちが大きいです。今回は総集編ということで、今までのBlogでは紹介できていなかった“Heat Lab”や今回のFellowshipの振り返りができればと思っています。

まずHeat Labですが、中はこんな感じになっています!!!!実は中にトイレ、体重計など揃っているのでとても実験する側もされる側も便利な作りになっています。

この期間中に6回ほどLabでの実験に参加させていただくことができました。最大酸素摂取量(VO2MAX)の測定や、Heat Tolerance Testという室温40℃,湿度40%で2時間トレッドミルの上で歩行を行って暑熱耐性を測定する試験や、汗の成分を分析するために Sweat Wash-Downの試験に参加しました。教科書で読んだことや細川先生からお話を聞いたことはありましたが、自分自身が実際に手を動かして行ったことはなかったので、大変貴重な経験になりました。

この1ヶ月間で沢山のことをを経験し、学ぶことができたと感じています。また、FRRをはじめとした様々な活動を通して、ここに来ていなかったら会えていなかったかもしれない素晴らしい方々にもお会いすることができました。ここでの経験を存分に発揮して日本でも研究に精進してまいりたいと思います!!

最後に私がKSIのsummer Fellowshipに行きたいとご相談してからずっとお力添えくださった細川先生、推薦書を書いてくださいました大伴先生、曽根先生、そして様々なサポートをしてくれた家族、出発から帰国までの間に私に携わってくださった全ての皆様に感謝申しあげます。本当にありがとうございました。

Dear KSI Team,

Thank you all for your incredible support. I’m so grateful to have been part of KSI this summer. This fellowship has been a fantastic learning experience, and I’ve gained so much valuable knowledge. I couldn’t have done it without your support!

Thanks again, Fumi

M1 淺沼富美

Publication Update: Journal of Athletic Training

Journal of Athletic Trainingに新しい論文が掲載されました。

Tashima C, Otomo M, Hosokawa Y. History, Knowledge, and Education of Sport-Related Concussion Among College Athletes in Japan. Journal of Athletic Training. 2024.59(8):793-800.

本論文はSPOの研究科1期生の田島千尋さんが実施した日本の大学アスリートにおけるスポーツ関連脳振盪の既往歴、知識、および教育環境の調査を論文化したものです。欧米データが多い中、日本の大学アスリートを対象とした横断調査(n=593; 43競技)として大変貴重なものとなりました。

https://meridian.allenpress.com/jat/article/59/8/793/498557/History-Knowledge-and-Education-of-Sport-Related?searchresult=1