Blog Update: KSI Summer Fellowship 報告第一弾

7月23日からSPO修士1年の浅沼富美さんが米国University of Connecticut (UCONN)のKorey Stringer Institute (KSI)でSummer Fellowshipに参加されています。ここでは第一弾として、1週間目の様子を振り返っていただきました。

UCONNに到着してから1週間が経過しました!!

まだビックニュースはまだありませんが、UCONNやKSIの施設や、今、私が少し携わらせていただいているプロジェクトについてお話しできればと思います!

まずSPOの皆さんが気になっているであろう気候ですが…とても過ごしやすいです!朝方は曇りや霧、雨が多いのがたまに傷ですが、晴れていると湿度は日本に比べてかなり低い印象です。(KSIの皆さんは「蒸し暑い…」とおっしゃっていたので、日本の夏を体験していただきたいものです。)

KSIの施設は、「GAMPEL PAVILION」というバスケットボールアリーナの中にあります。研究室の他にもHeat Labにも入らせていただき、今まで画像でしか見たことなかった光景が目の前に広がっていて胸が高鳴りました! (今週はいくつかLabでの実験があるようで、参加させていただく予定です😉)

実験の他にTUFSS というプロジェクトにも少しばかりではありますが、携わらせていただいています。

このプロジェクトはKSIがアメリカ各州への訪問・情報提供を行い、スポーツ関連突然死を予防するために、それぞれのスポーツセーフティーポリシーをより良いものにアップデートすることを目的としている活動です。帰国後に皆さんに最新の情報をお届けできるようにいたします。(https://koreystringer.institute.uconn.edu/tufss/)

英語やデータの整理の仕方などまだまだ至らないところばかりですが、なんとか1週間乗り切ることができました。これから実験やFalmouth Road Raceなどイベントが目白押しで楽しみです!沢山のことを学んで帰って来れるように頑張ります☺️

M1 淺沼富美

Media Update: NHK WEB

NHK WEBに細川准教授のコメントが掲載されました。

厳しい暑さが続きますが、どれだけ気をつけていても労作性熱中症のリスクをゼロにすることはできないということを念頭に置いた上で、緊急時の対応を改めて確認したり、重症度の高い労作性熱中症(熱射病)が発生した際にはアイスバスが使用できるように環境を整えるなどの対策が必要です。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240720/k10014517371000.html

Blog Update: The 1st HKATA cum APFAT Conference

こんにちは。細川です。

関東も梅雨明けまでカウントダウンが始まりましたね。

今年もありがたいことに連日様々な取材依頼が届き、今年もこの季節🌞🌡️がきた…!と慌ただしくしております。

さて、今回は7月13-14日に香港で開催された、The 1st Hong Kong Athletic Trainers’ Association cum Asia Pacific Federation of Athletic Trainers Conferenceのご報告です。

この学会は、香港で新たに誕生したHong Kong Athletic Trainers’ Associationと、アジアにおけるアスレティックトレーニング領域の発展を目指したAsia Pacific Federation of Athletic Trainersのキックオフを記念して、Hong Kong Sports Institute(日本でいうところの、国立スポーツ科学センターにあたる機関)で開催されました。香港の方々だけでなく、アメリカ、中国本土、台湾、日本からも登壇者が招かれ、細川もその1人として参加してきました。

細川が担当した講演はもちろん(?)労作性熱射病のプレホスピタルケアに関するもので、やはりアジア圏ではまだまだ「Cool First, Transport Second」の概念や、直腸体温でなければ正確な重症度を判定することができないことについて知識や実践が浸透していないことが分かりました。

元々夏の暑さには慣れているアジア諸国ですが、昨今の異常気象による酷暑はどの国の人も肌で感じているようで、「これまでは大丈夫だったけど、近々自分たちの現場でも労作性熱射病の対応をしなければいけなくなるかもしれない」という危機感は全体で共有できていたように感じました。登壇後には「しっかりとアイスバスを準備したい」、「直腸体温を測定できる体制を整えることができるか調べてみる」というコメントを頂けたのが印象的でした。

その他にも、救急対応、アスレティックリハビリテーション、エリートアスリートにおけるパフォーマンス科学、神経筋コントロールの科学、疫学研究、各種整形外科疾患の各論など、多岐にわたるアスレティックトレーニング分野の講演がありました。

本学会で大変印象的だったには、まだまだ世界と比べてアスレティックトレーニング領域が未開拓のアジアにおいて、当該分野の発展を目指すためには、アスレティックトレーナーだけで頑張るのではなく、スポーツ医科学に関わるあらゆる職種と資格の持ち主が「協働」することが重要である、と、何度もHKATAの代表、Ms. Kitty Auが唱えていたことでした。

日本でも、国内には様々なバックグラウンドをもつ専門家がアスレティックトレーニング領域で活躍しています。資格による住み分けや取り締まりは的確なサービスや消費者(アスリート)を守る観点でとても重要ですが、一方で、多様なバックグラウンドをもつ専門家が「アスレティックトレーニング」という合言葉で協働し、「スポーツメディスンチーム」として最高のサービスを提供することも、目指すべき姿の一つだと考えます。

アジアにおいて、日本のアスレティックトレーニング領域・業界が示せることは何だろうか。

日本におけるアスレティックトレーニング領域・業界を発展させるために、1人の研究者としてできることは何だろうか。

そのようなことを考えるとても貴重な機会となりました。

New Publication: Journal of Science in Sport and Exercise

Journal of Science in Sport and Exerciseに新しい論文が掲載されました。

Vanos JK, Joshi A, Guzman-Echavarria G, Rykaczewski K, Hosokawa Y. Impact of Reflective Roadways on Simulated Heat Strain at the Tokyo, Paris and Los Angeles Olympics. Journal of Science in Sport and Exercise. 2024. https://doi.org/10.1007/s42978-024-00294-9

近年、暑さ対策を意識した町づくりの一つとして赤外線を反射する遮熱舗装の活用が認められます。本研究では遮熱舗装による人体への暑熱ストレス軽減効果について検討しましたが、実際にはそのような効果は見込めず、直射日光を遮る方法(植樹や建物などによる影など)が望ましいという結果となりました。

https://link.springer.com/article/10.1007/s42978-024-00294-9

New Publication: Journal of Athletic Training

Journal of Athletic Trainingに新しい論文が掲載されました。

Scarneo-Miller SE, Hosokawa Y, Drezner JA, Hirschhorn RM, Conway DP, Elkins GA, Hopper M, Strapp EJ. National Athletic Trainers’ Association Position Statement: Emergency Action Plan Development and Implementation in Sport. Journal of Athletic Training. 2024.59(6): 570-583.

本論文は2002年に発表されたEmergency Action Plan(EAP; 緊急時対応計画)に関するポジションステイトメントの情報を更新する内容となっており、EAPに含めるべき内容についてだけでなく、EAPの実装(implementation)を強く意識した内容となっています。

https://meridian.allenpress.com/jat/article/59/6/570/501508/National-Athletic-Trainers-Association-Position

職場における熱中症予防:2.応急手当と水道水散布法

細川由梨准教授が撮影監修をした、「2.応急手当と水道水散布法」の動画が厚生労働省の「自分でできる熱中症予防」に掲載されました。

建設業などの職場においては、スポーツ現場とは異なりアイスバスの準備が困難な場合があります。その際には、冷水をできるだけ広い範囲に散布する「水道水散布法」を用いるなど、現場の状況毎に最も冷却効率が良い手法で応急対応をしましょう。

Blog Update: ACSM

こんにちは。SPO修士1年淺沼です。

2024/05/28-2024/5/31にアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストンにて開催されたAmerican College of Sports Medicine (ACSM)に参加して参りました。私自身、初めての海外学会+学会発表でしたので非常に緊張しましたが、とても素晴らしい経験をすることができました!

私は、5/31(金)にFree Communication/Poster のセッションにて発表させていただきました。日本の皆さんだけに留まらず、海外の方もポスターを見てくださったり、質問をしてくださったりと良い時間を過ごすことができました。

自分の発表以外のFree communication/PosterやThematic Poster, Oral presentationなど様々な発表を聞くことができました。細川先生が所属されていたKorey Stringer Institute (KSI)のセッションにも参加し、KSIの皆さんにお会いすることができました!KSIはスポーツ関連突然死や労作性熱射病の予防に、他にも様々な活動をおこなっていて、非常に感銘を受けました。

学会の最終日にはBoston Red Socks の試合を見に行きました☺️ 初めての会場での野球観戦がRed Socksでワクワクが止まりませんでした!相手チームの先発が日本人メジャーリーガーの前田健太選手ということもあり、ACSMに参加されていた日本人の先生方も試合を見に来ているようでした。発表も皆さんのおかげで無事に終えることができ、野球も観戦できて、最高のボストン最終日になりました。

大会全体を通して、「活発な議論」が行われていることが非常に印象的でした。来年はアトランタですね。来年も本学会に参加できるように、英語も研究も精進したいと思います。

M1 淺沼富美

New Publication: 日本アスレティックトレーニング学会学術誌

日本アスレティックトレーニング学会に新しい論文が掲載されました。

田島 千紘, 大伴 茉奈, 鶴 健一朗, 中陳 慎一郎, 齋藤 守弘, 細川 由梨. 学生スポーツに関わるチームスタッフの一次救命処置講習経験が救急対応への自信やBLS手順に関する認識に与える影響. 日本アスレティックトレーニング学会学術誌. 2024;9(2):137-146.

本論文では、長野県菅平高原に夏合宿で訪れた学生チームスタッフを対象に(1)学生スポーツチームスタッ フにおける BLS 講習経験,BLS の自信,BLS 手順の理解の関連と(2)スタッフの立場別(競技指導者、顧問、トレーナー、学生スタッフ)に BLS 講習経験 と BLS 手順への認識を明らかにすることを目的としました。BLS 講習経験がある者は全体の82.0%で、BLS 講習経験回数は BLS に対する高い自信や理解に関連がありました。また、自信がある者の方が BLS 手順に 関する正しい理解を示しており、立場別には自信および BLS 手順への理解に統計学的有意差は検出されませんでした。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsatj/9/2/9_137/_article/-char/ja

New Publication: 体育の科学

体育の科学に新しい論文が掲載されました。

細川由梨. アメリカのスポーツ科学教育からどう学ぶのか. 体育の科学. 2024; 74(5): 310-314.

本論文では、細川准教授の経験からアメリカの大学院教育(Master of Athletic Training、Doctor of Philosophy in Exercise Science)での学位取得までの道のりについて考察されています。

https://www.kyorin-shoin.co.jp/book/b10084688.html