New Publication: 日本アスレティックトレーニング学会学術誌

日本アスレティックトレーニング学会に新しい論文が掲載されました。

田島 千紘, 大伴 茉奈, 鶴 健一朗, 中陳 慎一郎, 齋藤 守弘, 細川 由梨. 学生スポーツに関わるチームスタッフの一次救命処置講習経験が救急対応への自信やBLS手順に関する認識に与える影響. 日本アスレティックトレーニング学会学術誌. 2024;9(2):137-146.

本論文では、長野県菅平高原に夏合宿で訪れた学生チームスタッフを対象に(1)学生スポーツチームスタッ フにおける BLS 講習経験,BLS の自信,BLS 手順の理解の関連と(2)スタッフの立場別(競技指導者、顧問、トレーナー、学生スタッフ)に BLS 講習経験 と BLS 手順への認識を明らかにすることを目的としました。BLS 講習経験がある者は全体の82.0%で、BLS 講習経験回数は BLS に対する高い自信や理解に関連がありました。また、自信がある者の方が BLS 手順に 関する正しい理解を示しており、立場別には自信および BLS 手順への理解に統計学的有意差は検出されませんでした。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsatj/9/2/9_137/_article/-char/ja

New Publication: 体育の科学

体育の科学に新しい論文が掲載されました。

細川由梨. アメリカのスポーツ科学教育からどう学ぶのか. 体育の科学. 2024; 74(5): 310-314.

本論文では、細川准教授の経験からアメリカの大学院教育(Master of Athletic Training、Doctor of Philosophy in Exercise Science)での学位取得までの道のりについて考察されています。

https://www.kyorin-shoin.co.jp/book/b10084688.html

New Publication: International Journal of Biometeorology

International Journal of Biometeorologyに新しい論文が掲載されました。

Otani H, Goto T, Kobayashi Y, Goto H, Hosokawa Y, Tokizawa K, Shirato M. The fan cooling vest use reduces thermal and perceptual strain during outdoor exercise in the heat on a sunny summer day.International Journal of Biometeorology. 2024. Online First.

本研究では高校生野球部員を対象に真夏の晴天日における屋外運動中にファン付きベストを使用することで、暑熱ストレスとその知覚がどの程度軽減されるかを調査しました。その結果、平均皮膚温度、赤外線鼓膜温度、心拍数、体熱蓄積、温熱感覚および主観的運動強度の全ての指標においてベストを着用した場合の方が優位に暑熱ストレスを軽減できることが明らかとなりました。

https://link.springer.com/article/10.1007/s00484-024-02690-w

Blog Update: SAFE Project 一次救命講習会@大阪

初めまして。今回ブログを担当させていただくSPO修士1年の小林和音です。

今回は、3/30に大阪で開催されたSAFE Projectの一次救命講習会に参加してきました。

今回の講習会では、AED等を使用した心肺蘇生法という内容で国士舘大学の曽根悦子先生と大木学先生が講師を担当されました。

参加者はラグビーに携わるチームスタッフやコーチなど様々な方を対象として、午前の部と午後の部に分かれて実施し、サポートとして行った私たちも講習会に参加させていただきました。

講習会では、Bluetoothが埋め込まれている人形に胸骨圧迫を行い、リアルタイムで自分の胸骨圧迫が評価されるという、初めてでとても貴重な体験をしました。

また、傷病者発見からAED使用までの流れを4人1組のチームで行うトレーニングをしました。このトレーニングでは、施設内のAEDが設置されている場所にトレーニング用AEDも設置されていて、傷病者発見後に急いで取りに行くなど、実際に即したシチュエーションになっていて、流れの中で一次救命を実践することが出来たので、リアルな緊張感の中でのトレーニングになりました。

講習会を通して、一次救命の際には1人ではなく助けを呼んでチームで行うことが大事であるという事が印象に残っています。

もしもの時のために役割を予め決めるなどの話し合いやAED設置場所の確認、搬送経路の確保などの準備をする事は、メディカルスタッフだけでなく競技に携わる全員において重要な事だと感じました。

最後になりましたが、ご講義いただいた曽根先生をはじめ本講習会開催にご尽力いただいた皆様に感謝申し上げます。

M1 小林和音

New Publication: スポーツ科学概論

文光堂から細川准教授が分担執筆をしたテキストが出版されました。細川准教授は「8. 環境による生理学的変化」の「1.暑熱」を担当しています。

細川由梨, 鶴健一朗. 第3章コンディショニング科学, 8環境による生理学的変化, 1暑熱. In 河野一郎, 片寄正樹監, 広瀬統一, 山本利春 編. スポーツ科学概論.  2024.pp184-189.文光堂. 

https://www.bunkodo.co.jp/book/3IYWX1HKFX.html

2023年度 卒業式

2023年度はSafety and Performance Optimization Laboratoryから7名の学部生(研究室3期生)と1名の修士大学院生(第一号!)が卒業・修了しました。皆さんのこれからの益々の活躍を心よりお祈りしています。Cheers!

Blog Update: 東京マラソン ボランティア活動記録

初めまして。今回のブログを担当する学部新4年の口出です。3月3日に開催された東京マラソンに救護ボランティアとして参加させていただきました。スポーツイベントに運営として参加することも救護活動に従事することも初めてだったので大変勉強になりました。

私は昨年、ランナーとしてマラソン大会に参加しマラソン大会で救護所が果たす重要な役割を体感しました。マラソン大会では数㎞おきに救護所が設置され、それとは別に救急車が手配されていたり、バイクや自転車などで巡回する方がいたりと傷病者にすぐに対応できるような環境が整えられています。マラソン大会での負傷と聞くと熱中症や足首などの捻挫、擦り傷、切り傷を想像しますが、最も防がなければならない緊急事態は心停止です。心停止の方を救護する際に一番大切なことはできるだけ早く発見し心肺蘇生を開始することです。今回実際に救護する立場に就いた際、倒れている人をすぐに見つけできるだけ早く救護が開始できるよう気を配っていました。

大会当日天候は良く、気温も高く、恵まれた天気の中で開催されました。フィニッシュしたランナーが自身の荷物を受け取りに向かうまでの間に体調が悪くなった人、足が攣って歩けなくなった人を救護することが私の役割でした。人が集中した時間帯もあり、倒れている人を見つけられていないのではないかと不安になる時間もありましたが幸い私のエリアで救急車が必要となるようなランナーはいませんでした。

午前中にフィニッシュしたランナーは足取りも軽く、受け取り場所に向かう際でも走っている方もいましたが、午後になると足取りが重くなる方が多く、ゆっくり歩くことが精一杯という方や足を攣って御自身で伸ばしながら歩いている方も見受けられました。

実際、私は2名、足を攣って歩けなくなった方を車椅子で搬送しました。ある傷病者の方は足が攣り歩けなくなったことに加え寒さで震えておられました。ちょうど救護所と私のようなボランティアがいる所の間で負傷されており、発見が遅くなったことに加えフィニッシュ地点近くはビルが多く風も強いため歩けなくなっている間に寒くなってきたのでしょうか。実際の理由は分かりませんが震えている傷病者の方を押しながらもう少し早く見つけていれば震えるほどの寒さを感じることもなかったのではないかと思い申し訳なく感じていました。

今回救護活動に参加し、メガイベントを開催するまでの準備にもスタッフの方はかなりの労力を割き、当日は万が一の事態に備え準備されている姿を目にしました。次回マラソン大会に出場する際はその方達に感謝しながら走ろうと感じました。

B3 口出佳汰

Blog Update: 7th IOC World Conference on Prevention of Injury and Illness in Sport

こんにちは、修士課程2年の田島です。

今回は、2024/2/29-3/2に開催された7th IOC World Conference on Prevention of Injury and Illness in Sportに参加してまいりました。

本学会は3年に1回開催される学会で、世界中の研究者が集結し、講演や研究発表を行います。

セッションは、下記7つから構成され、基本的に#1-4はレクチャー、#5-7は研究発表となります。

1. Unopposed keynote lectures

2. Head-to-head debates

3. Symposia

4. Workshops

5. Oral Abstract presentations

6. Moderated E-Posters

7. E-Posters (Visual Abstracts)

私は今回初参加・発表となり、1日目のModerated E-Postersにて発表を行いました。

写真は、これまで研究をご指導頂き、今回もご一緒させていただいた桐蔭横浜大学の大伴茉奈先生です。いつも大変お世話になっており、誠にありがとうございます。

発表では、日本の大学アスリートにおける知識や事前の教育経験、受傷時の報告の有無と性差の関係を報告させて頂きました。

ご質問やディスカッションをさせて頂いたものの、貴重な発表の機会において、十分に研究内容を伝え切れなかった悔しさも痛感し、次に繋げるための学びを得る事ができました。

本学会では、各トピックをリードされている先生方からお話を聞くことができた大変貴重な機会だったと感じております。

また、脳振盪に関する演題は毎セッション途切れなくあり、現在ホットなトピックである事を実感しました。

その中で自分に出来ること、研究のあり方など自問自答しながら、考えを深める事ができました。

2日目の夜には、Sports Celebration Nightというパーティーがあり、様々な交流を楽しみました。後半からは音楽が流れ、参加者の皆さんでダンスをされておりました。

そして、3日目のラストセッションであるHonesty Keynoteでは、次回の第8回カンファレンスがアナウンスされました。ぜひまた参加させて頂きたいですね。

クロージング後に、東海大学 笹木正悟先生、慶應義塾大学 東原綾子先生、大伴先生と記念撮影をさせていただきました。

モナコにて大変お世話になりました多くの先生方に深く感謝いたします。

追伸

帰りの飛行機では、イギリスでのトランジットがありましたので、ロンドン観光をしました!

往復2時間の移動、観光30分のまさしく弾丸観光ですが、体感は半日以上の詰まった濃い旅となりました。

同じヨーロッパでも、モナコ、ニース(フランス)、ロンドンではそれぞれ街行く人々や景色、文化、雰囲気が異なっており、今回3カ国巡る事ができ、研究活動としてだけでなく、私の人生にとっても思い出に残る大変良い機会となりました。

誠にありがとうございました。

M2 田島千紘

汗のやくわり

新潟大学LEEP(Laboratory for Exercise and Environmental Physiology)の天野達郎准教授と共に、「汗のやくわり」に関するアニメーションを作成しました。デザインは前回の「からだと水分」と同じくイノウデザインさんに依頼致しました。

専門的な内容もありますが、大人もお子さんと一緒に視聴して頂き、日常的な身体運動の重要性について理解を深めて頂けると幸いです。

New Publication: BMJ Open Sport & Exercise Medicine

BMJ Open Sport & Exercise Medicineに新しい論文が掲載されました。

Hosokawa Y, Akama T. Navigating Implementation Barriers: A Holistic Approach to Improving Exertional Heat Stroke Management. BMJ Open Sport & Exercise Medicine.2024. 10: e001861. doi: 10.1136/ bmjsem-2023-001861  

本論文では東京オリンピックパラリンピック大会で労作性熱射病のプレホスピタル対応について学んだメディカルボランティアが、その後大会で学んだ知識や技術を実践しているかについて五輪が開催された翌年まで追跡アンケート調査を実施しました。競技会での経験やその際に実施された研修はメディカルボランティアの労作性熱射病のプレホスピタル対応に対する考えや知識に良い影響を与えたことが確認された一方で、コストや人的サポートなどの観点から正しいプレホスピタル対応を実施したくてもできないという実態も存在することが明らかとなりました。

https://bmjopensem.bmj.com/content/10/1/e001861