Blog Update: SAFE Project

こんにちは。SPO修士2年の田島です。

今回は、本年度の長野県菅平高原でのSAFEプロジェクトについてご報告させて頂きます。

SAFE(Sugadaira AED for Everyone)プロジェクトとは、日本ラグビーフットボール協会安全対策委員会の支援の下、帝京大学スポーツ医科学センターの鶴先生、国士舘大学大学院救急システム研究科の中陳先生、桐蔭横浜大学の大伴先生、そして早稲田大学スポーツ科学学術院の細川先生にて、昨年度より運営されているAED普及プロジェクトです。

長野県菅平高原にある全てのグラウンドに AED を配置するほか、一次救急処置(BLS)講習会の実施や、BLS に関する調査を中心に取組みを進められております。

2年目となった本年度は、8/14-17の期間に国士舘大学のご協力の下、救急車の配備や、夏合宿に参加するチームに向けたBLS講習会の開催が新たに実施されました。

そして、SPOからは、8/11に4期生 辻内、8/15-17に2期生 東海林、3期生 淺沼、1期生 田島が実地参加して参りました!辻内は初参加、他メンバーは昨年度に引き続きとなります。

グラウンドマップ
菅平高原には広大な土地に多くのグラウンドが広がっています
診療所の待合エリア
昨年度のSAFEプロジェクトポスターとAEDが置いてあります

今年度から試験的に実施した救急車の配備は、国士舘大学の先生で救急救命士の大木先生と曽根先生のご尽力により実現しました。実施期間中は菅平高原をラウンドし、要請があった場合には現場に駆けつけて対応をしました。

また、要請がない時間帯は、ストレッチャーやスクープストレッチャーを用いた搬送を勉強させていただきました。

様々な知識を身をもって経験できたことはもちろんですが、医師や看護師、救急救命士、アスレティックトレーナー、そして現場のスタッフなど「チーム医療」で一つの命を救っていくことの重要性を改めて学びました。(先生方、ありがとうございました!)

準備やトレーニングの一部始終
順天堂大学の医師や看護師の宮原さん、国士舘大学の大木先生、曽根先生、国士舘大学の学生、桐蔭横浜大学の学生と共に行いました。皆様ありがとうございました。

BLS講習会では、大学チームの宿舎にお邪魔してお時間をいただき、チームスタッフの皆様を対象に講習会を行いました。

国士舘大学の先生方と救急救命士の学生の皆さんがBLSの講師を担当され、桐蔭横浜大学と早稲田大学から来ていた学生でサポートを務めました。

講習参加後には、チームスタッフの皆さんから「これから心肺停止が起きた際に率先して取り組もうと思った」など好意的な感想が挙がり、BLS講習の意義を改めて感じる機会となりました。

また、AEDの管理のため、昨年度に引き続き宿にも訪問させて頂きました。

菅平高原のグラウンドは、宿が所有しているグラウンドが多くを占めています。そのため、所有するグラウンド数に応じてレンタルされたAEDを宿にて管理し、練習や試合時には宿泊しているチームがグラウンドまでAEDを持参する形式をとっています。そうした背景から、宿に直接訪問させて頂き、使用しているAEDについて確認をすることで運用面でもサポートを行いました。

宿で管理されているAED
早稲田大学セミナーハウスの方々と本年度のSAFEプロジェクトポスターおよびAED

菅平高原滞在中は様々な宿に訪問させて頂き、AEDの運用や使い方についてお話しさせて頂きました。お食事の準備等でお忙しい中、快くご協力頂きありがとうございました。

短い期間ではありましたが、SPO学生としてSAFEプロジェクトに関わることができ、本年も貴重な経験することができました。

最後になりましたが、本プロジェクトを支援頂いている日本ラグビーフットボール協会安全対策委員会や菅平高原観光協会の皆様、また本プロジェクトに関わる全ての方に深く感謝申し上げます。

来年以降も引き続き菅平に登れるように日々勉強を積みたいと思います。

M2 田島千紘

New Publication: スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 第3版

メジカルビュー社より「スポーツ理学療法学 動作に基づく外傷・障害の理解と評価・治療の進め方 第3版」が出版されました。細川准教授は「スポーツ活動における暑熱対策」の章を担当しています。

https://www.medicalview.co.jp/catalog/ISBN978-4-7583-2085-6.html

Blog Update: 労働作業現場の視察

7月24日、M2の田島さんと一緒にSPOの代表として、労働現場における熱中症関連の現場視察に行ってきました。初めての労働作業現場の視察ですが、非常にスムーズに出来ました!

当日の朝は今回の視察を依頼して頂いた企業の方の運転で現場の事務所に到着しました。前日の大雨とはうって変わって、当日はとても良い天気で、とても視察日和でした!!

事務所に到着すると、現地のスタッフさんが温かく迎えてくれました。その後、現場監督の方をはじめとする担当者の方々が、現在実施されている熱中症対策について詳しく説明してくれました。この方達は労働現場における安全の分野で20年以上の現場経験があるため、会話の中で熱中症などの安全問題に対する専門的な理解だけでなく、仕事に対する情熱も感じました。

打ち合わせ終了後、我々もヘルメットといくつかの安全装備を装着して実際の現場に赴きました。

現場の途中写真を撮っている田島さん

エリアに到着しました。

現場の写真
田島さんのiPadが熱くなりすぎて休憩中(笑)

この現場では、作業員がソーラーエネルギー装置を設置しています。作業員は冷却ベストを着ています。

視察は午後も続きました。

ソーラーエネルギーは日本ではまだ導入段階にあり、技術的な問題から、労働者の約半数がヨーロッパやブラジルから来ているという特徴もありました。

13時過ぎのWBGTは34.4度と、その日測定した中で最高値を示しました。また、直射日光の当たる場所と日陰では、WBGTの温度差が非常に大きくなりました。

WBGT34.4度
現場の写真

広いエリアでの作業になるため、現場の状況によって、作業員の皆さんは車内を休憩場所として利用していました。

各エリアの視察を終えた後は事務所に戻り、視察内容と熱中症安全対策について最終確認を行いました。今回の経験により、工事現場をより具体的に理解することができました。

今後もこのような機会を今後も楽しみにしています!(今回の視察では一緒に視察に参加したM2の田島さんにお世話になりました。ありがとうございました!)

M1 徐松林

Media Update: 熱中症になったら…「アイスバス」「アイスタオル」重症化を防ぐ対策を解説

「NHKみんなでプラス」に細川准教授が監修した記事が掲載されました。


これから暑さが厳しくなる季節です。万が一重症度の高い労作性熱中症に遭遇した場合にはCool First Transport Secondでまずは効果的な全身冷却を行いましょう。

https://www.nhk.or.jp/minplus/0012/topic041.html

Blog Update: 第12回日本アスレティックトレーニング学会学術大会

こんにちは、学部4年の淺沼です。

7/8〜7/9の2日間、国際武道大学にて開催された第12回日本アスレティックトレーニング学会学術大会に参加して参りました。4年ぶりの対面での大会開催で、会場は非常に盛り上がっておりました!

私自身、初めての対面での学会参加ということもあり、少し緊張しておりましたが、学びの多い2日間を過ごすことができました。

1日目は、一般演題を中心にポスター発表やシンポジウムを拝聴いたしました。

様々な観点からの研究発表を聞き、アスレティックトレーニングの新しい知見を勉強することができました。学生トレーナーとしての活動や卒論執筆の上でも非常に勉強になるものばかりで、この研究結果をどのように現場に活用していくかが重要だと感じました。

2日目はSIG・クリニカルワークショップを中心に学会に参加いたしました。

どちらも新しい発見や学びの連続で、とても良い刺激になりました。

特にSIGで話題に上がった、インダストリアルアスレティックトレーナーというATの新しい活躍の仕方はこれからの社会に必要になってくると感じ、とても魅力的な働き方だと感じました。

このようにとても充実した2日間を過ごすことができました。

第12回日本アスレティックトレーニング学会に参加できたこと、大変嬉しく思います!

筒井先生は一般演題最優秀発表賞、田島さんは優秀論文賞ならびに若手研究者奨励賞を受賞されました。お二人とも本当におめでとうございます。

来年は中京大学にて開催予定です。

私もお二人の後に続けるように、研究活動(まずは卒論作成…)に励みたいと思います。

学部4年 淺沼富美

日本アスレティックトレーニング学会表彰

7月8−9日に開催された第12回日本アスレティックトレーニング学会学術大会にて、修士課程2年の田島千紘さんが優秀論文賞と若手研究者奨励賞を受賞しました。

2022年度日本アスレティックトレーニング学会誌優秀論文賞 (田島千紘, 大伴茉奈, 細川由梨.スポーツ関連脳振盪における受傷未報告の理由と因子.日本アスレティックトレーニング学会誌. 2023. 8(2) 205-218.)

第12回日本アスレティックトレーニング学会学術大会若手研究者奨励賞.田島千紘.「学生スポーツに関わるチームスタッフの一次救命処置講習経験と自信について」

New Publication: International Journal of Sports Science & Coaching

International Journal of Sports Science & Coachingに新しい論文が掲載されました。

Grundstein A, Cooper E, Hosokawa Y. Wet Bulb Globe Temperature Variability and its Implications on Heat Stress Monitoring. International Journal of Sports Science & Coaching.

湿球黒球温度(WBGT)は熱中症リスクを定量化する指標として幅広く使用されていますが、その測定間隔について明確な指針がない点がこれまで課題とされてきました。そこで本研究では測定間隔によって活動リスク区分の過大/過小評価が生じるかを検討しました。

https://journals.sagepub.com/doi/10.1177/17479541231186146

New Publication: British Journal of Sports Medicine

British Journal of Sports Medicine に新しい論文が掲載されました。

Adams WM, Hosokawa Y, Scarneo-Miller SE, Belval LN. Enhancing Exertional Heat Stroke Patient Care: Where are We Now and Where Do We Need to Go? British Journal of Sports Medicine. doi: 10.1136/bjsports-2023-106713

労作性熱射病による死を”100%”回避するために必要な応急手当のエビデンスは確立されているものの、そのエビデンスが実践(practice)として浸透している現場はまだ限られているのが現状です。このeditorialでは労作性熱射病のプレホスピタル対応の最適化を実現するために医療従事者・専門家がとるべきアクションをまとめています。

https://bjsm.bmj.com/content/early/2023/06/20/bjsports-2023-106713

Blog Update: 2023 ACSM Annual Meeting & World Congress

こんにちは。
SPO修士2年の田島です。

5/29-6/2にかけて、アメリカ合衆国コロラド州デンバーにて開催された 2023 ACSM Annual Meeting & World Congress に参加・発表して参りました!

私にとって初の国際学会発表かつ、人生においてもほぼ初海外であったため、緊張しきりでしたが、、皆様に支えられ無事に終えることができました。

私は6/1(木) のFree/Communication Posterにて発表で、国内外問わず様々な研究者の方とディスカッションをさせて頂きました。

また、細川先生が所属されていた研究室であるKSIの皆様にもご挨拶できました。

ACSMは、スポーツ科学に関わる多くの研究者が一堂に集まる学会です。
自分の専門外との先生とのコミュニケーションを取ることができ、同じ分野でも研究の切り口が多岐に渡るため、大変学びの多い学会でした。
研究の世界は深いな…!と改めて実感いたしました。

他にもACSMには、様々なイベントが用意されております。
その1つは早朝6:00からのランニングイベントです。

人生初5K!
SPO Tシャツを着て気合いを入れ、早稲田大学の他研究室の皆様と一緒になんとか完走いたしました〜!完走Tシャツを頂き写真を撮っています!

さらにUSOPCの見学ツアーにも参加いたしました。ワクワクが高まるばかりです。

このように大変濃い1週間を過ごす事ができました。
ACSM23に参加する事ができて本当に良かったと思います!

来年はボストンですね。
参加できるように研究もランニングも?精進いたします!

M2 田島千紘