New Publication: フットボールの科学

フットボールの科学 に新しい論文が掲載されました。

細川由梨. アメリカンフットボールにおける暑熱リスクと対策. フットボールの科学. 2021;16(1):34-40.

アメリカンフットボールはその競技特性上、他競技にはみられない暑熱ストレスが多く存在します。この記事ではアメリカで過去に報告された労作性熱射病事故をケースシーリーズの様式にまとめ、それらの事例から明らかとなった労作性熱射病のリスク因子の解説と、リスク軽減のための対策について紹介しています。

https://www.jssf.net/ja/footballnokagaku/

New Publication: British Journal of Sports Medicine

British Journal of Sports Medicine に新しい論文が掲載されました。

Muniz-Pardos B, Angeloudis K, Guppy F, Tanisawa K, Hosokawa Y, Ash G, Schobersberger W, Grundstein A, Bargoria V, Lwande GO, Ombaka JH, Ergen E, Yamasawa F, Racinais S, Casa DJ, Pitsiladis Y. The potential use of new cooling technologies during Tokyo 2020 Olympics and associated ethical dilemmas. British Journal of Sports Medicine. 2021.doi:10.1136/bjsports-2021-104014

ウェアラブルテクノロジーなどの科学的介入により、我々科学者は多くのデータを得ることができます。しかしながら、データそのものの妥当性や信頼性は使用しているデバイスに大きく依存することや、得たデータの解釈を間違えればその選手にとって不利益が生じる場合もあります(例:棄権を強いられるなど)。このEditorialではこれらの懸念事項を克服していくために注意しなければならないことについて考察しています。

https://bjsm.bmj.com/content/early/2021/05/13/bjsports-2021-104014

New Publication: Journal of Thermal Biology

Journal of Thermal Biology に新しい論文が掲載されました。

Iwata R, Kawamura T, Hosokawa Y, Chang L, Suzuki K, Muraoka I. Comparison of the effect of post-exercise cooling with ice slurry ingestion between males and females. Journal of Thermal Biology. https://doi.org/10.1016/j.jtherbio.2021.102979.

本論文では運動後のアイススラリーによる身体冷却の効果に男女差があるかどうかを検討しています。今回の実験では男性被験者においては効果が確認されなかったものの、女性の被験者では効果が確認される結果となりました。

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306456521001479

New Publication: Journal of Athletic Training

Journal of Athletic Training に新しい論文が4点掲載されました。

Adams WM, Hosokawa Y, Casa DJ. Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics. Journal of Athletic Training. 2021;56(4):349-351.

Adams WM, Hosokawa Y, Casa DJ, Périard JD, Racinais S, Wingo JE, Yeargin SW, Scarneo-Miller SE, Kerr ZY, Belval LN, Alosa D, Csillan D, Labella C, Walker L. Roundtable on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Heat Acclimatization. Journal of Athletic Training. 2021. 2021;56(4):352-361.

Hosokawa Y, Adams WM, Casa DJ, Vanos JK, Cooper ER, Grundstein AJ, Jay O, McDermott BP, Otani H, Raukar N, Stearns RL, Tripp B. Round Table on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Methods of Environmental Monitoring for Heat Safety During Activity. Journal of Athletic Training. 2021. 56(4), 362-371.

Miller KC, Casa DJ, Adams W, Hosokawa Y, Cates J, Emrich C, Fitzpatrick T, Hopper M, Jardine J, Labotz M, Lopez R, O’Connor F, Smith S.  Round table on preseason heat safety in secondary school athletics: Prehospital care of exertional heatstroke patients.  J Athletic Training. 2021; 56(4):372-382.

2019年に作成を始めた高校の運動部活動における暑熱対策(暑熱馴化、環境条件に応じた運動、労作性熱射病のプレホスピタルケア)に関するコンセンサスドキュメントが完成しました。高校の運動部活動というコンテキストに特化して執筆されているだけでなく、実践を意識した提言がまとめられているので現場で働かれているアスレティックトレーナーの方々に是非読んで頂きたい論文です。

https://meridian.allenpress.com/jat/article/56/4/349/464270/Preseason-Heat-Safety-in-Secondary-School

https://meridian.allenpress.com/jat/article/56/4/352/464273/Roundtable-on-Preseason-Heat-Safety-in-Secondary

https://meridian.allenpress.com/jat/article/56/4/362/450236/Roundtable-on-Preseason-Heat-Safety-in-Secondary

https://meridian.allenpress.com/jat/article/56/4/372/449348/Roundtable-on-Preseason-Heat-Safety-in-Secondary

これらの論文に関するインタビューは以下のリンクより視聴できます。

New Publication: BMJ Open Sport & Exercise Medicine

BMJ Open Sport & Exercise Medicine に新しい論文が掲載されました。

Muniz-Pardos B, Angeloudis K, Guppy FM, Tanisawa K, Hosokawa Y, Ash GI, Shobersberger W, Grundstein AJ, Yamasawa F, Racinais S, Casa DJ, Pitsiladis Y. Ethical dilemmas and validity issues related to the use of new cooling technologies and early recognition of exertional heat illness in sport. BMJ Open Sport & Exercise Medicine. 2021.7(2), e001041. doi:10.1136/bmjsem-2021-001041.

昨今のテクノロジーの発展で、酷暑環境であってもアスリートをより安全に、かつ高いパフォーマンス水準の発揮を科学的にサポートすることができるようになりました。その一方で、テクノロジーそのものの信頼性や妥当性の検証、得られたデータの管理・活用・解釈に関わるルール決めなど、安全かつ公平にテクノロジーを扱うためには事前のルール作りが必要です。この論文ではアスリートの暑熱対策の観点から、テクノロジーがもたらすジレンマについてまとめています。

https://bmjopensem.bmj.com/content/7/2/e001041

New Publication: 杏林書院

杏林書院から「体温の『なぜ?』がわかる生理学~からだで感じる・考える・理解する~」が出版されます。

本書は体温の科学について早稲田大学人間科学部の永島計先生が編著された本で、SPOの細川は熱中症のメカニズムに関するセクションを分担執筆しました。体温調節の生理学に興味のある学生だけでなく、一般読者の方でもご理解いただけるように執筆されています。

http://shop.kyorin-shoin.co.jp/shopdetail/000000000676/

Safety Time Out

日本ラクロス協会で使用されているSafety Time Outの最新版が更新されました。

2020年シーズンの経験を踏まえて、自由記述欄の追加と不要な項目の削除を行いました。詳しくはRESOURCEページをご覧ください。

Research Update: スポーツ現場における外傷・障害調査フォーマットの標準化

2020年12月、一般社団法人日本臨床スポーツ医学会と一般社団法人日本アスレティックトレーニング学会による「スポーツ現場における外傷・障害調査フォーマットの標準化」に関する提言書作成の合同プロジェクトチームが発足しました。本プロジェクトは、本邦におけるスポーツ外傷・障害調査手法のあり方について標準化されたフォーマットによる外傷・障害調査の必要性について提言することを目的としています。

スポーツ現場における外傷・障害調査フォーマットの標準化合同プロジェクトチーム

全体コーディネーター: 増島 篤
コーディネーター: 奥脇 透
コーディネーター :広瀬統一

プロジェクトメンバー:武冨修治、中山晴雄、半谷美夏、真鍋知宏、笠原政志、砂川憲彦、細川由梨、眞下苑子

詳細は学会ホームページをご覧ください:http://www.js-at.jp/img/20210301.pdf

Publication Update: Journal of Athletic Training

Journal of Athletic Training に新しい論文が掲載されました。

Hosokawa Y, Adams WM, Casa DJ, Vanos JK, Cooper ER, Grundstein AJ, Jay O, McDermott BP, Otani H, Raukar N, Stearns RL, Tripp B. Round Table on Preseason Heat Safety in Secondary School Athletics: Methods of Environmental Monitoring for Heat Safety During Activity. Journal of Athletic Training. DOI: 10.4085/1062-6050-0067.20 

本提言書では、熱中症予防対策の一つとして兼ねてから重要視されてきた環境条件のモニタリングに関してアスレティックトレーナーが講じるべき具体策について推奨文をまとめています。高校スポーツの現場を想定したこの類の提言書はこの論文が初となります。

https://meridian.allenpress.com/jat/article/doi/10.4085/1062-6050-0067.20/450236/Roundtable-on-Preseason-Heat-Safety-in-Secondary

Publication Update: Medicina

Medicina に新しい論文が掲載されました。

Stearns RL, Hosokawa Y, Adams WM, Belval LN, Huggins RA, Jardine JF, Katch RK, Davis RJ, Casa DJ. Incidence of Recurrent Exertional Heat Stroke in a Warm-Weather Road Race. Medicina. 2020. 56(12), 720. doi:https://doi.org/10.3390/medicina56120720

本研究の対象となったFalmouth Road Raceでは過去17年間に333件の労作性熱射病が認められており、そのうちの 37件(16 名)は同レースで2回以上の労作性熱射病を経験しています。(このレースはもともと再参加率が高いレースなのですが、)2回目以降の労作性熱射病が発生する確率は1回目の労作性熱射病発生から2大会以内が最も高いようです。

https://www.mdpi.com/1010-660X/56/12/720