こんにちは。
5期生の藤田です。
9月13日(土)〜21日(日)に開催された「東京2025世界陸上競技選手権大会」において、持久系アスリート(マラソン・競歩選手)を対象とした研究補助に関わらせていただきました。
今回の研究は、暑熱環境下で行われる陸上競技大会に向けた準備や当日の行動、そしてそれらが試合でのパフォーマンスに与える影響を明らかにすることを目的として実施されました。私は、試合前日トレーニング中のマラソン選手の汗採取補助や、競歩選手のレース前後における体重測定補助を担当させていただきました。

試合前の大きな舞台に挑む選手の闘志を間近で見ながら、臨機応変に対応する必要があり、また選手にストレスを与えずに研究を完了させる難しさを実感しました。このような正式な研究活動に携わるのは初めてで、研究現場で求められる責任感と柔軟性の重要性を学ぶことができました。

さらに、9月19日(金)には早稲田大学小野記念講堂にて「GLOBAL SUMMIT ON ATHLETICS SCIENCE & MEDICINE」が開催されました。今回開催された東京2025世界陸上に合わせて行われたこのシンポジウムには世界各国から研究者や関係者が参加されており、細川先生も「これほど多くの国の方が集まるシンポジウムは初めて」とおっしゃっていました。

私が特に印象に残ったのは「遺伝子検査」に関するトピックです。陸上競技の女子種目における公平性を確保するために導入されたこの制度は、東京世界陸上が初めて適用される大会となりました。長年にわたって議論が続けられ、導入に至った経緯などを拝聴させていただき、非常に興味深かったです。
また、登壇された先生方がどのようなキャリアを歩み、今に至っているのかを知ることができたことも、大きな学びとなりました。特に「これまでの人生の選択に迷いはなかった」という言葉には強い刺激を受け、自分自身の将来について考えるきっかけにもなりました。
私たちの師匠である細川由梨先生も、労作性熱射病に関する話題を発表されていました。
先生はお忙しい中、直前まで発表の準備を重ねていたと伺い、その真摯な姿勢に強く心を打たれました。今回の研究活動では、準備段階から当日まで、国際的な舞台でご活躍される先生のご活動を初めて間近で拝見することができ、大変感銘を受けました。授業以外で先生の研究活動に触れる機会はこれまで多くはなかったので、改めて、素晴らしい先生のもとで学ぶことができて幸せだなと感じました。

陸上競技の長距離・競歩に取り組む私は、大学入学当初から2025東京世界陸上に出場することを目標にしていました。しかし、実力不足で競技者として出場することはできませんでした。競技者として出場は叶いませんでしたが、細川先生の専門分野である暑熱順化に関する研究で、「研究補助」という立場から世界陸上に関わることができ、このような機会に恵まれたことは本当に嬉しい限りでした。この経験がもう少し早ければ、もしかすると進む道が変わっていたかもしれない…と感じるほど、充実した1週間となりました。多くの新たな視点を得ることができ、残り少ない競技生活や今後の人生に必ず活かしていきたいと強く思いました。
(競歩選手として、日本選手が男女共に3位入賞でメダルを獲得していたのはとても興奮する結果でした!)
最後に、このような貴重な経験をさせてくださった細川先生、世界陸連の皆様、大塚製薬の皆様、そして心を動かす瞬間をたくさん魅せてくださった選手やサポートスタッフの皆様、東京2025世界陸上に関わった全ての方々に心より感謝申し上げます。
本当にありがとうございました!

5期生 藤田真美加