Blog Update: The 1st HKATA cum APFAT Conference

こんにちは。細川です。

関東も梅雨明けまでカウントダウンが始まりましたね。

今年もありがたいことに連日様々な取材依頼が届き、今年もこの季節🌞🌡️がきた…!と慌ただしくしております。

さて、今回は7月13-14日に香港で開催された、The 1st Hong Kong Athletic Trainers’ Association cum Asia Pacific Federation of Athletic Trainers Conferenceのご報告です。

この学会は、香港で新たに誕生したHong Kong Athletic Trainers’ Associationと、アジアにおけるアスレティックトレーニング領域の発展を目指したAsia Pacific Federation of Athletic Trainersのキックオフを記念して、Hong Kong Sports Institute(日本でいうところの、国立スポーツ科学センターにあたる機関)で開催されました。香港の方々だけでなく、アメリカ、中国本土、台湾、日本からも登壇者が招かれ、細川もその1人として参加してきました。

細川が担当した講演はもちろん(?)労作性熱射病のプレホスピタルケアに関するもので、やはりアジア圏ではまだまだ「Cool First, Transport Second」の概念や、直腸体温でなければ正確な重症度を判定することができないことについて知識や実践が浸透していないことが分かりました。

元々夏の暑さには慣れているアジア諸国ですが、昨今の異常気象による酷暑はどの国の人も肌で感じているようで、「これまでは大丈夫だったけど、近々自分たちの現場でも労作性熱射病の対応をしなければいけなくなるかもしれない」という危機感は全体で共有できていたように感じました。登壇後には「しっかりとアイスバスを準備したい」、「直腸体温を測定できる体制を整えることができるか調べてみる」というコメントを頂けたのが印象的でした。

その他にも、救急対応、アスレティックリハビリテーション、エリートアスリートにおけるパフォーマンス科学、神経筋コントロールの科学、疫学研究、各種整形外科疾患の各論など、多岐にわたるアスレティックトレーニング分野の講演がありました。

本学会で大変印象的だったには、まだまだ世界と比べてアスレティックトレーニング領域が未開拓のアジアにおいて、当該分野の発展を目指すためには、アスレティックトレーナーだけで頑張るのではなく、スポーツ医科学に関わるあらゆる職種と資格の持ち主が「協働」することが重要である、と、何度もHKATAの代表、Ms. Kitty Auが唱えていたことでした。

日本でも、国内には様々なバックグラウンドをもつ専門家がアスレティックトレーニング領域で活躍しています。資格による住み分けや取り締まりは的確なサービスや消費者(アスリート)を守る観点でとても重要ですが、一方で、多様なバックグラウンドをもつ専門家が「アスレティックトレーニング」という合言葉で協働し、「スポーツメディスンチーム」として最高のサービスを提供することも、目指すべき姿の一つだと考えます。

アジアにおいて、日本のアスレティックトレーニング領域・業界が示せることは何だろうか。

日本におけるアスレティックトレーニング領域・業界を発展させるために、1人の研究者としてできることは何だろうか。

そのようなことを考えるとても貴重な機会となりました。